
扶養内で働くなら、年収いくらまで?
調べると「103万の壁」「106万の壁」「130万の壁」と、いくつも出てきますよね。
でも2026年、この並びは大きく変わりました。
103万の壁は178万円まで上がり、106万の壁は撤廃されます。
去年までの記事を読んで働き方を決めると、損をするかもしれません。
壁が多すぎて、結局どの壁に気をつければいいのかわからない!
そんな方のために、簡単に解説します。
先に結論(2026年8月時点)
・税金の壁は178万円まで上がった。もう気にしなくてよい
・見るべきは130万円だけ。ここで家族の扶養から外れる
・薬剤師は週20時間まで働けば、手取りは逆転する
・いちばん損なのは、130万を超えて週20時間に届かない働き方
目次
まず、税金の仕組みを軽く
年収の全部に税金がかかるわけではありません。
年収から “ 控除 ” を引いて、残った部分にだけかかります。
パートで働く方が引ける控除は、主に2つです。
・給与所得控除……給料をもらう人なら、誰でも引ける
・基礎控除……こちらも、誰でも引ける
2026年、この2つを合わせると178万円になります。
この “ 引ける額 ” が2026年に大きく増えたので、103万円の壁が178万円まで動きました。
📌 178万円の内訳
・基礎控除……62万円+特例42万円=104万円
・給与所得控除の最低保障……69万円+特例5万円=74万円
この特例の上乗せは、2026年と2027年の期間限定です。2028年以降は条件が変わる予定なので、178万円がこのまま続くとは限りません。
例えば年収200万なら、額面(200万)-控除額(178万)=22万←この22万に課税されるってことだね。
所得税の場合は、そうなるね。
ただし、住民税は少し事情が違います。
住民税には、ここまでは課税しないという別のラインがあって、こちらは所得税より低めに設定されています。
給与収入でいうと、119万円ほど。ここを超えると、住民税が少しずつかかり始めます。
(このラインは自治体によって少し変わります)
住民税は引ける額が少し小さいから、課税される部分は所得税より多くなるんだね。
そして税金には、もうひとつ大事な性質があります。
超えた分にだけ、かかります。
年収が178万円を1万円超えて179万円になっても、税金がかかるのはその1万円の部分だけです。
税率は5%から始まるので、増える所得税は500円ほど。
収入が増えるほど税率が上がっていく仕組みなので、いきなり跳ね上がることはありません。
これが、累進課税ですね。
でも、健康保険と年金の保険料は、まったく違う仕組みです。
130万円を1万円超えて131万円になると、超えた1万円にかかるのではなく、131万円の人!として保険料が丸ごと発生します。
1万円超えたときに増える額
税金(178万円を超えた場合)……約500円
健康保険と年金(130万円を超えた場合)……年30万円ほど
超えた分にかかるか、全体にかかるか。この違いです。
これが、130万の壁と言われる所以!!!手取りが、だいぶ変わるね。
壁は3つ。でも効くのはひとつだけです
2026年の壁を、年収順に並べてみます。
2026年、パート薬剤師の「壁」はここ
超えたときに増える金額は、まったく違います
住民税
年に数千円
所得税
年に数千円
扶養を外れる
年に30万円ほど
税金は、超えた分にだけかかります。だから少しずつしか増えません。
でも130万円だけは、超えた瞬間に年収全体をもとにした保険料が乗ります。
見るべき数字は、ここひとつで足ります。
住民税と所得税は、知らないうちに通り過ぎている方も多いと思います。
超えた分にしかかからないから、住民税と所得税のボーダーはそんなに意識しなくて良いかもね。
うん。混同しやすいけど、この2つの税金は、ここを超えたら額面全てに税金がかかる訳じゃないんだよね。
130万円を超えると、何が起きるのか
130万円は、家族の健康保険の扶養から外れるラインです。
外れたあとどうなるかは、週に何時間働いているかで分かれます。
| 週の労働時間 | 入る保険 | 保険料 |
|---|---|---|
| 20時間以上 | 勤め先の健康保険・厚生年金 | 会社と折半 |
| 20時間未満 | 国民健康保険・国民年金 | 全額を自分で |
国民年金は全国一律で、月17,920円(2026年度)。年間で約21万5千円です。
ここに国民健康保険料が上乗せされます。こちらは自治体や前年の所得で変わるので、お住まいの市区町村でご確認ください。
これは、住民税・所得税と違って一気に手取り金額が変わってくるね。
薬剤師の場合、手取りはこうなります
では、実際にいくら残るのか。
4つの働き方で計算してみました。
| 働き方 | 年収 | 手取り |
|---|---|---|
| 扶養内いっぱい | 129万円 | 約127万円 |
| 130万を超え、週20時間未満 | 140万円 | 約108万円 |
| 週20時間・時給2,000円 | 192万円 | 約158万円 |
| 週20時間・時給2,500円 | 240万円 | 約194万円 |
2行目だけ、おかしなことが起きています。
年収を11万円増やしたのに、手取りが19万円減っているのです。
扶養から外れて保険料が丸ごと乗ったのに、勤め先の社会保険には入れないからです。
意図せずこうなってしまったら、悔しくて寝れない。涙
ほんと、それね。
でも3行目を見てください。
週20時間まで働けば、時給2,000円でも手取り158万円。
扶養内の127万円を、大きく超えます。
会社が保険料を半分払ってくれるうえに、社会保険料は所得から引けるので、税金もほとんどかからないのです。
計算の前提
・1ヶ月を4週として計算
・単身・40歳未満(介護保険分なし)
・賞与と交通費は含まない
・国民健康保険料と住民税は自治体で変わるため概算
私なら、二択で考えます
ここまでの計算から言えることは、ひとつです。
・扶養内に収めるなら、130万円の手前で止める
・出るなら、週20時間まで一気に行く
いちばん損なのは、その中間で止まることです。
前の記事で “ 損ゾーン ” と呼んだ谷は、これのことでした。
税金のことは、計画的に考えないと損しちゃうことがあるかも。
ただし薬剤師の場合、この二択にはひとつだけ条件があります。
週20時間まで行くには、勤め先がその時間で社会保険に入れてくれることが必要です。
従業員51人未満の職場では、週20時間働いても対象になりません。
(正社員の4分の3以上、週30時間ほど働く場合は、会社の規模に関係なく加入します)
これから転職を考えている方は、その会社での社保加入条件を確認したいね。
FP3級を取るくらいお金に興味がある私から見ると
私自身は、扶養に入って働いた経験がありません。
だからこの記事は、自分で計算して分かったことを書いています。
そのうえで、FP3級まで取った私が思ったのは——
知らないことで損することがある。ということ。
もちろん、住民税・所得税・健康保険年金の支払いのボーダーが入り組んでいるので分かりにくいと思います。
しかし、分からないからと言って何も考えずに働き、数十万円働き損になってしまうのはもったいないなと感じました。
ここまで読んでくださった方は、130万のボーダーだけ覚えておけば良いと分かってくださったはず‥‥!
まとめ
・税金は超えた分にだけかかるので、少しずつしか増えない
・でも130万円だけは、超えた瞬間に年30万円ほどの保険料が乗る
・だから見るべき壁は130万円ひとつだけ
・130万を超えて週20時間に届かない働き方が、いちばん損
・週20時間まで行けば、時給2,000円でも手取りは逆転する
今回の内容をフローチャートにしました。パートタイムで働く方は、参考にしていただけると嬉しいです。
上から順に、当てはまるほうを選んでみてください。
年収は130万円を超えますか?
いいえ → ① 扶養内のまま
はい → 下へ
週20時間以上、働けますか?
いいえ → ③ 損ゾーン
はい → 下へ
勤め先の従業員は51人以上ですか?
※週30時間ほど働く場合は、人数に関係なく「はい」でOK
いいえ → ③ 損ゾーン
はい → ② 勤め先の社会保険
① 扶養内のまま 保険料は0円。年収129万なら手取り約127万円
② 勤め先の社会保険 会社が半分負担。時給2,000円なら手取り約158万円
③ 損ゾーン 保険料を全額自分で。年収140万でも手取り約108万円
※この記事は2026年8月時点の情報をもとに整理したものです。労働時間は1ヶ月を4週、手取りは単身・40歳未満として計算した概算です。国民健康保険料と住民税は自治体によって変わります。ご自身の場合は、勤務先・年金事務所・お住まいの市区町村でご確認ください。
扶養を出て働くなら、相談しておきたいこと
社会保険は、会社にとっても負担が増える話です。
だから、面接や面談で聞きにくいと感じる方も多いと思います。
聞こうと思っていても、その場になると忘れてしまうこともありますよね。
そんなときは、転職サイトに登録した時点で、コンサルタントの方に先に相談しておくと確実です。
私も、大切なことは忘れないよう、気になった時にすぐ聞くようにしてます。
タイミングをうかがい過ぎて、後で「あれ聞くの忘れたー!」ってなるより良いよね。
私が実際に使った転職会社メモ
「週20時間で社会保険に入れる職場はあるか」を
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今の働き方が自分に合っているか、情報収集として活用してみてくださいね。